
“We are all different and all wonderful.”∼みんなちがって、みんないい∼
みんなちがって、みんないい
皆さんこんばんは、パイオニアランゲッジスクールの廣山國臣です。
最近、この言葉をいろいろな所で耳にします。とても味わい深いことばですね。
この言葉のルーツはどこだろうかと調べたくなりました。
大正末期から昭和初期に活躍した女性童謡詩人、金子みすゞ(1903-1930)の詩(「私と小鳥と鈴と」)の中に出ている言葉でした。
「 私と小鳥と鈴と 」 金子みすゞ
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のように、
地面を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
彼女は若くして生涯を終えていますが(26歳)、『赤い鳥』、『金の船』などの童話童謡雑誌が創刊され、隆盛を極めた大正時代末期、20歳の頃から童謡を書き始めました。『童話』の選者であった西條八十に、「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛されるなど、めざましい活躍をしました。
この詩は、鈴と小鳥と私と、それぞれの特色の中に生きているすばらしさを歌いあげています。
2節までは子どもらしい無邪気な比較ですが、3節目で詩全体を輝かせます。
“We are all different and all wonderful.”
Even if I spread my arms
I cannot fly in the sky at all.
But the bird that can fly
Cannot run on the ground as fast as I.
Even if I shake my body,
I cannot produce pretty sounds,
But the bell that can ring
Doesn’t know as many songs as I.
The bell and the bird and I–
All are different and all wonderful.
<正解のない時代を生きる子供たちに、今何が必要??>
ここ日本でも、少しずつ個性が尊重され始めてきましたが、未だに、人と違っていることを意識し、人の目を気にして窮屈な思いをする文化から脱出できずにいます。
パイオニアでは子供たちにいろいろな考え方があると言うことを知ってほしいと思い、海外のお友達との英語での交流会を始めました。
最初は、間違ったら恥ずかしいと、発言できなかった子供たちも、元気な海外の子供たちに押され、少しずつ話すようになり、笑顔も出てきました。
高校の教科書も従来の暗記型ではなく、グローバルな視点から、生徒に考えさえる教育に変わろうとしています。例えば、歴史教科書の中で、「戦後に日本政府が結んだ「日米同盟」について、あなただったらどうしたか?」等と答えのない設問に考えさせる教育に、変わろうとしています。
正解のない時代に生きる子供たちに、今、何が必要か?
パイオニアランゲッジスクールは英語教育を通して、40年間、このテーマに真剣に向き合っています。
Are You an Echo?: The Lost Poetry of Misuzu Kaneko by Misuzu
<補足>
『わたしと小鳥とすずと』は、今では小学校の国語教科書にも載っています。
ARE YOU AN ECHO?(こだまでしょうか)のタイトルで、アメリカでも出版(2017年)されました。
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